騎手

全国の鞭の使用ルール

鞭の使用について

騎手もしくは調教騎乗者は、次の目的においてのみ、競走または調教において鞭を使用することが出来る。

  • 馬の集中力を持続させ、馬と騎乗者の安全を確保するための使用

  • 馬の全能力を発揮させるための使用

鞭の使用は、次のような場合認められる

  • 馬の後躯部に対し計6回以下の使用および、連続2回以下の使用。鞭の使用から少なくとも2完歩は馬の反応を待つこと。

  • 騎乗者が両手で手綱を持ち馬の首に触れている状態で、馬の肩を軽く鞭で打つこと。

  • 馬に鞭を触れさせることなく、鞭を見せる・しならせること。

  • 騎乗者と馬の安全確保のための使用。

次のような鞭の使用は認められない

  • 騎乗者の手首が自身のヘルメットより上にあがっている場合

  • 馬の後躯部または肩以外の部位に対しての鞭を使用すること

  • 馬体にケガを負わせる/外傷を残すような鞭の使用

  • 反応がない馬に対して繰り返し鞭を使用すること

  • レースで、最高の着順が得られた後に鞭を使用すること

  • 危険を避けるための場合を除き、レース前もしくはレース後に鞭を使用すること

  • 危険を避けるための場合を除き、毎年4月1日より前に行われるレースにおいて、2歳馬に対し鞭を使用すること

  • 他の騎乗者もしくは他馬に対して鞭を使用すること

※騎手が鞭を持たずに騎乗する場合は、出馬登録時にその旨申請を行う必要があります。申請された情報は公式レーシングプログラムに掲載され、競馬場内の放送でアナウンスされます。

アメリカの鞭

2022年8月1日を以て、HISA(Horseracing Integrity and Safety Authority = 競馬の品位と安全を監督する機関)が制定した規則に則った鞭(写真を参照)のみが使用を許可される運びとなります。

現在、条件を満たした鞭は1社(www.rydersup.com)でのみ製造されており、許容される最長の長さは30インチ(76.2 cm)、その価格はひとつ95ドルです。なお、米国内では発注から配達までに10日前後(つまり、日本への配達にはそれ以上の日数)を要している模様です。注文に際しお好みの長さ、硬さ(しなやかさ)、色等がございましたら、まるがいレーシングまでお知らせください。手配のお手伝いをいたします。

昨年、「ProCush Flat Race Whip」も、上記のGT360と一緒に米国のレースでの使用が合法であるとの判決が下されました。 ProCush シリーズのこの特定のバージョンのみが許可されます。ご注意ください。

ヘルメットおよび防護ベスト

ヘルメットおよび防護ベストは、開催運営委員による査察対象です。加えて、これらは騎乗する州を問わず、米国政府の定める基準(下記に記載)を満たしている必要があります。

認可されているヘルメット(重要な更新2022年7月1日)

  • アメリカ基準:

    • ASTM F1163

  • ヨーロッパ基準:

    • EN-1384

    • PAS-015

    • VG1

  • オーストラリア/ニュージランド基準:

    • AS/NZS 3838

    • ARB HS 2012

  • Snell Equestrianの基準:

    • Snell 2001

認可されている保護ベスト(重要な更新2022年7月1日)

  • アメリカ基準:

    • ASTM F1781-08

    • ASTM F1937

  • ヨーロッパ基準:

    • BETA:2000 Level 1

    • EN 13158:2000 Level 1

  • Shoe and Allied Trade Research Associationの基準:

    • Jockey Vest Document M6-3

  • オーストラリア基準:

    • Standard 1.1998

医療カード

騎手には、防護ベストの内側にMedical Cardを忍ばせる義務があり、このカードには非常時に医者が必要とする、以下の内容が英語で記されている必要があります。

-Medical Conditions(病状)

-Previous Injuries(過去の負傷履歴)

-Drug Allergies(特定薬物に対するアレルギーの有無)

-Current Medication(現在処方されている薬物)

健康証明

騎手には、脳震盪に対する検査結果を含む、直近12ヶ月以内に行われ、英語で記入されたメディカルチェックの記録を取得する義務があります。健康証明を取得したこれらをまるがいレーシングに提出していただければ、然る後、然るべく当事州政府ならびに開催担当者に渡るように取り計らいます。

制裁下にないことの証明

JRAが、当該騎手が自身の管轄下において制裁下にないことを証明する書類です。こちらは、まるがいレーシング、JRA、現地の開催運営担当部署の三者の間で取り交わされる類の書類ですので、騎手の方は何もされなくて結構です。

継続して教育下にあることの証明

直近の12ヶ月にわたり継続的に職業騎手であり続けたことを証明する手紙を、JRAにしたためていただく必要があります。こちらは、まるがいレーシングが直接JRAに対して請求しますので、騎手の方は何もされなくて結構です。

バレットのチップ

騎手は、彼らにあてがわれたバレットに対してチップの支払いが求められます。1レースの騎乗であれば100米ドルが妥当です。複数レースへの騎乗であれば、それ以上、また、大レース優勝時には1000米ドル、もしくはそれ以上の支払いが慣習となっています。持ち合わせがない場合には、後日、電信送金も可能ですが、口座番号の聞き忘れにはご注意ください。

ビザについて

ESTAで入国した場合、日本の馬にしか騎乗することができません。その他の国の馬に騎乗する場合、B1ビザの申請が必要となります。B1ビザ取得には米国大使館での面接も必須となっていて、手続きに約1か月かかります。普段、B1ビザは10年間の有効期限があります。ビザ取得の手続きをなるべくスムーズに行えるために、騎乗予定の競馬場がその旨を記載した手紙を発行します。

騎手がESTAを使用して渡米する条件の一つとして、レースでの獲得した賞金は全て合算したものが馬主の口座に一度振り込まれ、そこから日本で騎手に分配していただく形になります。こうすることで、騎手は米国での収入に対する税金を払わずに済みます。詳細については、以下の章を参照してください。

騎手の賞金について

日本でのものとは異なり、米国では上位3着までの騎乗者に対してのみ進上金は支払われ、その比率は賞金額に対して下記のとおりです。なお、4着以下の騎手に対してはRiding Fee(騎乗手当)のみが支給され、その額は競馬場や開催で異なります。

1着: 10% 2着: 5% 3着: 5% 4着以下:Riding Fee(騎乗手当)のみ

アメリカの税金が複雑なので、(同)まるがいレーシングのおすすめ、レースでの獲得した賞金は全て合算したものが馬主の口座に一度振り込まれ、そこから騎手に分配していただく形になります。こうすることで、騎手は米国での収入に対する税金を払わずに済みます。馬主は日本で騎手に支払う場合、競馬場は、この別の電信送金プランを承認するために署名された契約を必要とします。 この契約書を印刷し、馬主と騎手に署名してもらってください。

「日本で支払い契約ダウンロード」

賞金を米国から直接受け取りたい場合は、「書類ダウンロード」ページにあるフォームに記入してください。 完成後、(同)まるがいレーシングまでお送りください。

1 つのレースにのみ参加する場合、W8BEN免税フォームと振込先フォームを出して、賞金振り込み手配が可能です。

複数の馬に乗る場合、アメリカの納税者番号が必要になるか、馬主が日本で支払う必要があります。 騎手か調教師が賞金を直接送金したいが納税者番号が必要な場合は、納税者番号を作成するための以下の手順は、旅行の前に実行する必要があります。もう米国の納税者番号を持ってる騎手、簡単に騎手の口座へ賞金を振り込みできます。

  • 納税者番号をお持ちでない場合、アメリカを拠点とする会社を一つ作っていただき、それにより納税者番号が取得できます。

    • 会社を設立するとなると複雑に聞こえるかもしれませんが、アメリカ国内で有限会社または法人組織を作るのは非常に簡単です。ケンタッキー州在住の会計士がいますので、連絡をして必要な手続きを済ませてもらい納税者番号を取得できます。申請には以下が必要となります。

      • 設立する組織の名称(会社名)

      • パスポートコピー

      • 必要書類にサイン

      • 初期の設定にかかる経費は約$1,500

    • 翌年4月に会計士があなたに代わって確定申告してくれます(経費約$1,500)

      • アメリカ遠征にかかった全ての経費(レシート)を会計士に渡してください。

      • 平均所得税率は15%ですが、獲得した賞金額によっては15-21%になることもあります。上記の方法で経費として控除すれば所得税率を下げることができます。

      • 4月以降、アメリカ政府に納める税金があればその旨連絡がきます。騎手がご自身で支払うこともできますが、会計士に支払って代理で処理してもらうことも可能です。

    • 確定申告と納税が終了したら、設立した会社は閉鎖することもできます。会計士が全ての必要手続きをしてくれます。その事務手数料が毎年約$1,500かかります。

    • アメリカで頻繁に出走する予定があれば、設立した法人はそのまま維持しておくのも良いかもしれません。ただし、収入がない年でも会計士は確定申告をする義務があり、その事務手数料が毎年約$1,500かかります。

      • 法人を存続させた場合、アメリカに数年遠征しなかったとしても毎年確定申告はしなければなりません。収入がない場合は納税するものはありませんが、諸手続きをする会計士に支払う経費は発生します。毎年の春に会計資料だけを払います。$800ぐらいかかります。

  • 税金対策に必要な書類一式は(同)まるがいレーシングが提供します。また、米法人を設立されたい場合は、米国在住の会計士をご紹介します。

  • 企業登録情報とW9申請書はレースの前までに必ず競馬場に提出してください。これにより獲得した賞金から税金が引かれることはありません。

現地の騎手を選ぶの場合

現地の騎手に騎乗を依頼することで、日本人騎手を渡航させる経費もかかりませんし、現地の競馬場に精通しているというアドバンテージもあります。現地の騎手に騎乗依頼をする際、以下の点にご注意ください。

日本でのものとは異なり、米国では上位3着までの騎乗者に対してのみ進上金は支払われ、その比率は賞金額に対して下記のとおりです。なお、4着以下の騎手に対してはRiding Fee(騎乗手当)のみが支給され、その額は競馬場や開催で異なります。

1着: 10%、2着: 5%、3着: 5%、4着以下:Riding Fee(騎乗手当)のみ

現地の騎手は、前述の支払い比率が自らの報酬であることを受け取ることを期待します。

騎手にどのように乗ってもらいたいかを事前に準備しておいてください。騎手の判断に任せるのであればそれでも大丈夫ですが、具体的な指示があれば明確に伝えてください。馬の癖などによってこう乗ってほしいという乗り方もあるかと思います。ただ、騎手が事前に馬について研究していると思わないでください。中には研究熱心な騎手もいますが、全員がそうではないです。競馬当日はパドックでの時間が限られているため具体的な指示をしている時間はないかもしれません。なるべく早いタイミングで騎手とコミュニケーションを取るようにしてください。

  • パドックで最後に騎手と話す際に、一言二言かける言葉(指示)を考えておいてください。ビッグレースであればあるほど、場の雰囲気に飲まれやすく、肝心な指示を伝え忘れてしまうこともあります。

  • 海外の騎手はパンツにスポンサーの広告が許可されています。広告付きのパンツで騎乗することを許可する旨の書面が馬主(または代理人)に渡され、馬主の署名が求められます。よほどのことがなければ、署名をして許可してあげてください(スポンサー収入の一部はチャリティなどに回している騎手が多いです)。