アメリカ滞在中

米国競馬の雰囲気(空気感)

米国競馬の雰囲気は、多くの日本馬が遠征先に選ぶその他の国のそれとは大きく異なります。現地のあらゆるシステム(施設や様々な流れ)は、遠征馬のために存在している訳ではありません。米国でのあなたは、そこに存在するその他大勢のホースマンのうちのひとりなのです。アメリカの競馬界の姿勢は、自分で物事を行い、求められたことに対処することです。でも、場合によっては、ルールが必ずしも希望どおりに明確であるとは限りません。アメリカの競馬界では、常にそこで住んでいなければ知り得ないことを知っていることを期待する傾向があります。 重要な情報がタイムリーに共有されるのが遅れることがあるため、これはイライラさせられます。スムーズな遠征のためにあなたのレーシングマネージャー、もしくは、まるがいレーシングは、可能な限りのお手伝いはいたします。また、獣医師や装蹄師は、彼らの普段からの顧客のニーズを優先するでしょうし、競馬場の運営スタッフは、あなたの管理馬を数いる競走馬の1頭として扱うでしょう。そして、当局による抜き打ち獣医検査にも応じる必要があります。あなたのレーシングマネージャー、もしくは、まるがいレーシングは、可能な限り事がスムーズに運ぶように調整はいたしますが、それでも必ず不規則な事態は生じます。大事なことは、それらが起こるということを理解することと、何事に対してもフレキシブルな心構えでいるということです。競馬当日までの準備についてはそれぞれの厩舎によって異なりますが、レースまでの注意点を以下に挙げておきます。


重要な要件


日本はCEM検査除外国ではあり、あなたの管理馬がUSDA管理下の敷地を出る際は、USDAのエージェントまたはUSDA公認獣医師が常時馬の動向を監視しています。これは他の馬と接触がないことを目的としていて、滞在期間中は最後まで継続して行われます。

施設によって仕様は異なりますが、厩舎出入口か馬房毎に施錠(ロック)がかけられます。厩舎の出入口が施錠されている場合、監視役としてついている担当者のスケジュールの関係上、厩舎に出入りできる時間帯も限られてしまいます(現在、ニューヨーク州はこのような運用がされています)。ただし、多くの競馬場はそこまで厳密な施錠の運用はしていなく、スタッフが比較的自由に出入りできています。

歩様検査

あなたの管理馬は常に、非常に厳格な出走馬管理プロトコル(Horse Monitoring Protocol)下に置かれ、ケガ等の有無が確認されます。

  • 初めて馬場に入る際には、歩様検査(速歩)ならびに触診による診断が為されます。自分の臨場獣医師ができます。

  • 追い切り前には触診による診断が為されます。また、24時間前までに必要書類の記入・提出が求められます。自分の臨場獣医師ができます。

  • ブリーダーズカップで毎日に馬場の入り口に騎乗しながら歩様検査があります。

  • 出走日の朝を含め、開催週においては州の規制獣医師の求めに応じてのものを含む数回の歩様検査が課されるものと理解してください。なお、開催年によって求められる頻度は異なるものの、当該週の出馬投票の締切日と水曜日もしくは木曜日と金曜日、加えて出走日の朝というケースがほとんどです。出走日が土曜日であることに基づいて書かれています。

  • 米国滞在中の州の規制獣医師の診察はランダムです。 あなたが長い間米国にいる場合、彼らは通常、レースの週の前に数回訪れます。彼らは通常、午前 6 時から午前 9 時の間に訪問しますが、彼らが来ることを誰にも知らせません。 まるがいレーシングはスケジュールを調整しようとしますが、州の規制獣医師は、不正な調教師を捕まえるために、スケジュールを秘密にすることを好みます。

競技外検査

競馬場に着いた後に少なくとも一度は血液と毛が採取されます。長くて競馬場に入厩されたら、到着から競馬当日の間に2回〜3回血液と毛が採取の可能性あります。

血液はまた、出走直前にも採取されます。加えて、上位3着までに入線した場合には、血液と尿がレース後に採取されます。上位3着馬に加えて、ランダムで検査対象となる馬が選ばれます。その際には担当の厩務員が通知を受けますので、その旨ご承知おきください。

前述の血液採取は、輸出入(米国への到着・米国からの出国)に際して必要となるそれとは異なりますが、採取のタイミングによっては同時に行われることもあり得ます。

この手順の詳細については「薬物検査」のサイトをご覧ください。

サプリと補助飼料の検査

ドバイやサウジアラビアと異なり、米国では、調教師ならびにその陣営自らが、飼料や薬物、また、サプリメント等に関して何が使用を許可されていて、何がそうではないのかを熟知していることが求められます。しかしながら、まるがいレーシングでは、あなたが持ち込んだ品が許可された物質であるか否かを、当局を通じて確認するサービスを提供しております。つきましては、原料の詳細が英語で記された一覧を忘れずにご提供ください。これら英語による一覧は、あなたが普段お使いの飼料会社、もしくは獣医師に作成してもらってください。一例として、まるがいレーシングがドバイ遠征時に作成した書類の写真を添付いたしますので、参考になさってください。また、薬品やサプリメント類においては、出走当日から逆算して定められた日数までに使用を中止する必要のある品物も存在しますので、それらの使用停止日にもご留意ください。アメリカに到着したらすぐに検査を手配することをお勧めします。


守衛と警備体制


書類への署名

米国滞在時において、あなたの管理馬は、厳密には引き続き検疫途上にあり、他の (地元) の競走馬とは隔離された環境に置かれています。米国農務省 (USDA = United States Department of Agriculture) もしくは滞在中の競馬場 (場合によってはその双方) は、あなたが厩舎を訪れるその都度、必要書類への署名を求めてきます。運用が厳密なこともあれば、そうでないこともありますが、どちらの場合でも先方の求めには応じていただく必要があります。

守衛

ブリーダーズカップ競走とケンタッキーダービー、その他いくつかの競走においては、各出走馬に対して個別の守衛 (Security Guard) があてがわれます。とは言え、貴重品の管理には十分ご注意ください。財布、携帯電話等の貴重品は肌身離さず持ち歩く、車両内に置いておく、宿泊先に持って帰る等の自衛措置を講じてください。また、買収行為と受け取られかねませんので、守衛へ心付け (チップ) を渡す行為もお控えください。ただし、感謝の印としてキャップ等の厩舎グッズを渡す行為は (常識の範囲内で) 許容されているようです。上述に関わらず、守衛とは、お互いにリスペクトを持った関係性を築くように心がけてください。目が合えば挨拶を交わす等の日ごろの行いが、結果としてあなたの毎日を快適なものへと変えることとなります。

通行証

発行された通行証は、騎乗時や厩舎作業中を除き、常時携行してください。また、提示を求められた際にはその指示に従ってください。守衛と仲が良い場合、通行証を忘れたら、問題なないですが、新しい人が来れば、危ないです。携帯で通行証の写真も撮って下さい。無くなるなら、新しい通行証を作るまでにその写真を使えます。

ブリーダーズカップにおける医療行為に対する警備体制

獣医師による診療行為に付随する各種資材は、出走 (候補) 馬の確定後に集められた後、プラスチックバッグへと回収されます。あなたの担当獣医師によるいかなる診療行為も、必ずBreeders’ Cup Equine Security Officer立ち合いのもと行われることとなります。また、結果生じた廃棄物等は、獣医師の署名入りラベルを付されたプラスチックバッグへと、彼らにより回収されます。


調教について


調教スケジュールおよび調教馬場

調教馬場に関してですが、日本とは反対で、内ラチが速い追い切りをする馬のみの進路となります。内ラチから少し外が追い切り以外のギャロップです。馬場の真ん中がキャンターまたは軽い運動(ハッキング、速歩)、そして外ラチを時計回りで常足をする馬のために使われています(アメリカでは外ラチの常足をしている馬は止まって駐立することがあるのでご注意ください)。

調教時間は、通常、午前 5 時から午前 10 時の間ですが、ちょうど調教時間、ハロー掛け時間、ゲートスクーリング(練習)時間は別途お知らせします。

*ブリーダーズカップ、ケンタッキーダービー、同日複数G1開催日等、大きな開催の日には、調教に供する馬場開放時間枠が縮小されてます。調教可能時間については、あなたのレーシングマネージャー、もしくは、まるがいレーシングに確認するようにしてください。

競馬場によっては、複数の馬場で調教が許可されているところがありますが、事前の申請が必要なところもあります。調教で使用できる馬場については、あなたのレーシングマネージャーまたは(同)まるがいレーシングに問い合わせてください。

  • 芝コースでの調教は、ほとんどの競馬場で事前承認が必要ですので、なるべく早いタイミングで(同)まるがいレーシングにいつ芝コースを使用したいかをお伝えください。競馬場の事務所の休日は受付窓口が閉まっていることがあります。事前に承認を得ていれば、芝コースを使っていただけます。

  • 規模の大きいレース(ブリーダーズカップ、ケンタッキーダービーなど)は、参加する馬の調教時間を指定する場合があります。ハロー掛け明けの馬場が整っている状態や他に馬が大勢いない調教時間を設ける場合が多いです。

  • ベルモントパーク、サラトガ、キーンランド、サンタアニタはいつものダートコースと芝コース以外に調教で利用できる馬場があります。

パドックとゲート練習

ほとんどの場合、ゲートとパドックのスクーリングは、ほとんどの朝調教時間中に利用できます。 到着時に、地域にいる競馬場のスケジュールが提供されます。

パドックスクーリング

  • 通常、調教時間中にパドックは開放されていていつでもスクーリングができる状態です。ただし、運用上のルールが変わる可能性がありますので、必ず事前に確認してください。

  • 競馬が実施されている午後の時間帯にもパドックスクーリングをすることができます。これはアメリカ特有のスクーリングで、馬装していない状態でパドックを歩かせ、これから出走する馬たちと一緒に装鞍馬房を見せる練習です。終了次第、馬は厩舎へ戻ります。競馬場にもよりますが、スクーリングをするために厩舎からパドックまで競馬場の馬場を歩いてこなければいけない場合、パドックスクーリングが終わってもレースが終了するまで20-30分ほど待たされることがあります。

ゲート練習

競馬場によっては、ゲート難の有無をスターターが確認するためにゲート練習が義務化されているところもあります。その場合、ゲートスクーリングは実施しなければなりません。

  • 競馬場によっては、レースで使用する馬装具(ブリンカーかメンコなど)をつけてゲートスクーリングを実施し、スターターが馬を確認するところもあります。レーシングマネージャーかまるがいレーシングなどに現地担当者と連絡を取ってもらい確認してください。

  • 競馬場によってはゲート練習の日時を事前に指定して予約しなければいけないところもありますので、練習したい日が決まりましたら(同)まるがいレーシングまでお知らせください。

  • アメリカの競馬のゲートは日本のものとは異なるため(特にレースでは日本にはないゲートボーイが付くので)、日本馬はゲート練習することをおすすめします。

  • アメリカの競馬はゲートボーイが全頭に付くことになっていますが、付けたくない場合は競馬前日までにスターターに知らせる必要があります。

  • ゲートボーイが不要な場合でも、隣の枠にゲートボーイが枠内にいる状態で馬の駐立をスターターが確認するためにゲート練習を求められる場合があります。ですので、ゲートボーイの有無についてはレース2,3日前までに申告してください。

ポニー

朝の調教時に馬を引き連れてポニーを手配すること可能です。場合によっては、ポニーを借りて、自分のスタッフにポニーに乗らせることもできます。これは、ポニーの入手可能性と、ポニーの所有者がそれに同意しているかどうかによって異なります。ポニーの使用に関連する料金があります。各ポニーライダーには独自の日割り料金が設定されているため、費用が気になる場合は、調教またはレースのためにポニーを予約する前に必ず問い合わせてください。料金は競馬場やイベントによって異なる場合があります。

アメリカでは、日本の馬よりもずっと短い調教期間で馬が訓練されます。ほとんどのポニーライダーは、30分ごとに1頭か2頭の競走馬を扱います。調教時間にポニーを使用する場合、日本の馬の調教時間はアメリカの馬の2倍になることが多いため、通常よりも費用がかかる場合がありますのでご注意ください。

ポニーは競走馬と一緒にギャロップやキャンターができません。ポニーと一緒は並足と速歩できます。必要なときにトレーニングパートナーを提供してくれるかどうか、誰かアメリカの調教師に問い合わせてみることができます。利用可能性はアメリカの調教師の希望に大きく依存するため、パートナーを保証することはできません。アメリカの調教師がそれに応じて計画できるように、手配は早めに行う必要があります。

調教ゼッケン

公式の調教ゼッケンは、レースの1週間前程度を目安に主催者から提供されます。提供された後は、馬場入り時には常時このゼッケンの使用が求められます。それ以前には、ご自身で用意されたエクササイズラグを使用されて差し支えありません。

ブリーダーズカップ、ケンタッキーダービー、プリークネスステークス、ベルモントステークスなどの大きなレースでは、レースの前週に使用する特別な調教ゼッケンが作成されますが、米国の他のG1レースではこれが行われないため、必ず予備の調教ゼッケンを持参してください。

獣医師に係る諸情報

前章でも触れたように、遠征馬には常時同一の獣医師が、文字どおり張り付きます。また、同じ獣医師があなたの馬の臨床担当となる可能性も存在します。一見すると煩わしいようですが、これは「あなたの馬を知ってもらう」という観点から、State Regulatory Vet (州規制当局獣医師) による獣医検査が行われることとなった際には、利点ともなり得ます。当局側の獣医師があなたの馬に問題となるような所見を見出した際にも、普段を知っている獣医師の見解があなたにとって有利に働くことも多々ありますので、CEM検疫ルールの負担的側面である「張り付き」を、有効に活用しましょう。

なお、運営側にあてがわれた獣医師以外を任用することももちろん可能ですが、獣医師には以下が義務付けられていることにご留意ください。

  • 臨床業務

  • 治療・投薬履歴の記録ならびに諸官庁への報告

  • 追い切りの許認可 (必要書類の提出を伴う可能性あり)

  • HISA Accountへの担当馬の諸情報入力

補液と治療

米国で補液をリクエストした場合の投与方法は、ドバイでのそれ同様、頸の静脈を介したものとなります。しかし、ビタミン剤の場合はドバイと異なり、静脈への直接投与と、補液とビタミン剤を混ぜ合わせた上で投与する、という二通りの投与方法が存在します。米国には中東で手に入るような、予め準備されたビタミン剤のボトルは存在しません。

米国における電解液の投与方法としては、鼻腔にチューブを挿入し胃まで直接届けるという手法が、一般的な方法として普及しています。注射を用いた投与も可能ですが、その場合、最も遅くてもレースの48時間前までに行う必要があります。それに対して、チューブ方式ではレースの1日前までに行えばよく、加えて体内への吸収もより効率が良いと考えられています。なお、チューブ方式を試されるのであれば、事前に一度「慣らし」回を設けられることを推奨します。

マッサージおよび磁気治療 (マグネティック・セラピー)

米国では様々なウマ用セラピーが、治療の選択肢として存在します。日本でもお馴染みのものもあれば、写真にあるMagnawave (マグナウェイヴ) のように、磁気を用いて筋肉の緊張 (テンション) を和らげる効果が期待される機械も一般的です。Pressure Point Therapy (プレッシャー・ポイント・セラピー = 指圧) やレーザー・セラピーも、多くの競馬場で利用可能です。 

装蹄師

現地で開業している装蹄師を探すお手伝いは、あなたのレーシングマネージャー、もしくは、まるがいレーシングが行います。なお、装蹄師の多くが日曜日を休業日に充てることにご留意ください。また、滞在中の競馬場が開催場ではない場合、優れた装蹄師の多くが不在にしている可能性も考慮に入れる必要がございます。蹄鉄師が蹄鉄を交換する平均費用は200ドルくらいです。受け入れ可能な蹄鉄の例の写真を見たい場合は、HISAのページをご覧ください。

米国使用可能蹄鉄規則(2022年8月1日より施行)

ダート競馬で前蹄:フラット(類似品:Queens Plate)、もしくは2mmまでアウターリムの蹄鉄だけ。2mmのスパイクの蹄鉄を使わず。

ダート競馬で後蹄:フラット、もしくは4mm までのスパイクかアウターリムの蹄鉄(類似品:Low Toe(4mm), Outer Rim/Level Grip(4mmまで))

芝競馬:フラット(類似品:Queens Plate)


厩舎について


乾草・飼い葉と水桶・馬房掃除

餌とルーサンとチモシーは輸送会社経由で所有者に請求されます。

一部の競馬場では、水道水を使用する必要があります。場合によっては、ボトル入りの水が提供されます。

シェービングまたは敷き藁が輸送会社経由で所有者に請求されます。なお、使用後の馬房掃除は自らで行ってください。また、そのための道具(フォークやバケット等)は提供されます。水の桶と飼い葉の桶は、主催者側から提供されます。

洗い場

米国には、枠場を備えた洗い場は存在しません。馬匹はゴム製マットの敷かれた屋外で洗われることとなります。つまり、通常はひとりのスタッフが保定し、別のスタッフが洗う、ということになります。

馬房

アメリカの馬房は日本の馬房とは違います。 ドアは通常木製です。 一部の競馬場には金属製のドアに変更があり、馬が頭を外に突き出すためのスペースがあるは設置できます。全部のドアが厩務員がストールに出入りするには便利ではありません。ストールガードを持参することをお勧めします。 到着時にストールガードを簡単に取り付けられるように、ストールにはすでにボルトが入っています。 それはあなたの毎日の生活をずっと楽にしてくれます。 持っていない場合は、通常、近くの馬具屋で購入できます。

馬房のドアの幅は競馬場ごとに異なるため、 2 つのストールガードを持参することをお勧めします。 馬によっては、馬が出るのを防ぐために幅の広いストールガードを用意することをお勧めします。幅の広いストールガードがないと2つ幅の細いストールガードは大丈夫です。

牧草地

米国のほとんどの競馬場には、馬が食べる草があります。 最大の問題は、草が検疫エリア内にないことが多いことです。 草が検疫エリアの外にある場合は、USDA公認獣医師が常時馬の動向があなたを監視ためにそこにいることを確認する必要があります。 

馬用洗濯

アメリカでは馬用洗濯は少し複雑です。 一部の米国の調教師は自分の洗濯機を持っており、頼めば借りることができますが、本人の厩舎が優先されます。 一部の競馬場には、厩舎が使用できる洗濯機があります (お金が必要) が、これは一般的ではありません。 多くの競馬場には、午前中に汚れた洗濯物を受け取り、午後遅くに返却するランドリーサービスがあります。 このサービスはお金がかかります。 競馬場に近くのコインランドリーに洗濯物を持っていくトレーナーもいます。 うっとうしいものですが、手洗いもオプションです。

氷の入手可否

多くの競馬場には製氷機の備えがありますが、そうでない場合もありますので、氷は自己の責任において用意するようにしてください。チャーチルダウンズとベルモントパークの両競馬場には、製氷機が存在します。ブリーダーズカップ競走においては、氷一粒の大きさは決して小さくないものの、氷嚢が提供されます。


レース前の準備


出馬投票(エントリー)&枠順

通常、出馬投票はレースの4,5日前に行われ、出走馬が確定します。

  • 競馬場によって責任者が異なりますが、通常はレーシングセクレタリー、ステークスコーディネーター、または厩舎マネージャーに締切日の午前10時までに通知する必要があります。

    • 出馬投票は署名入りの書類の提出を求めるところもあれば(ケンタッキー州)、口頭での確認で済ませるところもあります(NYRA)。レースで使用する馬装具を再確認してください。

  • 大きな開催(ブリーダーズカップ、ケンタッキーダービーなど)の出馬投票は普段に特別なイベントと一緒に出馬投票します。

例外的リクエストに対する採決委員 (Steward) による許認可

通常の範疇を超える馬装に係るリクエストについては、レース当日の前週期間内に採決委員(Steward)に申請の上、その許可を得る必要があります。例えば「ゲート裏でメンコを外す」や「パドックを出たらメンコを外す」等も、この許認可の対象です。なお、米国においてはメンコの色に対する規制はありません。また、パドックを退出する1頭目になりたい、最後になりたい、馬場入り後はゲートまで直行したい等のリクエストも、事前の申請対象です。

勝負服とスポンジ

  • レースの2日か1日前に(同)まるがいレーシングに勝負服とスポンジを渡してください。

  • スポンジに馬名をはっきりと書いてください。

  • 騎手と調教師の名前を勝負服にはっきりと書いてください。

  • 馬名と騎手の名前がはっきりとわかる袋または箱に勝負服とスポンジを入れて下さい。

  • 装鞍所へゲルパッド(滑り止め)を持っていて下さい。

  • 必要に応じて、スポンジを馬と一緒に競馬場に持ち込むことができます。 時々、騎手のバレットは日本のスポンジを忘れます。

  • 追加のスタッフがいる場合は、レースの直後に騎手から勝負服、スポンジ、ゼッケンを拾うように手配してください。 できない場合は、(同)まるがいレーシングが代わりにこれを試みます。

パドックで使うバケット

米国では、厩舎エリアからパドックエリアまで、バケツと共にスポンジを持参するのが通例となっています。これはパドックエリアに洗い場が併設されていない故の措置であり、陣営は出走馬の口内洗浄にこれらを用います。無口頭絡やハミもこれらを用いて持ち運ばれることが多いようです。なお、検体採取所(Test/Detention Barn)内においては無口頭絡の着用が認められています。

装鞍所に馬の口をすすぐのに、日本、サウジ、ドバイで使用されている通常の茶色のゴム球は使用できません。 ペットボトルの水も使用できません。 馬の口を洗うには、写真のようなスポンジを使用するしかありません。

どのスポンジでも大丈夫ですが、スポンジでなければなりません。 日本からスポンジを持って来て忘れたら、写真のようなスポンジは、競馬場近くのほとんどの馬具店やインターネットでも購入できます。

HIWUは何らかの理由で、この茶色のゴム球はアメリカの「注射器禁止」政策に違反していると考えた。 ペットボトルの水も同様です。 あまり意味がありませんが、基本的にアメリカのトレーナーは信用できないので、このような妙に厳しいルールを設けているのです。


他のもの


チャリティ

馬のチャリティ活動はアメリカでは盛んです。規模の大きいG1レースに出走する馬であれば、ネームありレザー無口か使用済みの蹄鉄やたてがみをチャリティ用に求められることがあります。当然、義務ではありませんが、その際はご検討いただければと思います。

メディア

海外へ遠征する際には、特にケンタッキーダービーやブリーダーズカップ等、イベントの規模が大きくなるほど、メディアの要求は密度が濃くなります。前者においては、毎日複数のインタビューに応じる必要に迫られるでしょう。そして、調教師不在時にその責を担うのは、自ずと残された厩舎スタッフということになります。その際の通訳業務は、まるがいレーシング、もしくは、あなたのレーシングマネージャーが担います。また、インタビューの一切を断ることも可能ですが、その場合には遠征馬の調教深度を含めた近況を、逐一まるがいレーシングまでご報告ください。あなたに代わり、弊社がメディア対応に当たります。なお、大レース優勝時には競走後のインタビューが待ち受けます。その際の通訳業務も、まるがいレーシング、もしくは、あなたのレーシングマネージャーが務めますので、ご安心ください。

オフィシャル・グッズ

レース毎に対応は異なりますが、関係者に対して遠征馬の馬名の入ったグッズが無償で提供されることがあります。その他、有償でオーダー可能な遠征馬の馬名の入ったグッズもございますが、こちらもイベント毎に対応・種類は異なります。

イベント

レース当日に向けて、様々なイベントが執り行われることがあります。これらへの出席は義務ではありませんが、そのどれもが楽しい体験となり得るものばかりですので、参加をお考えの際にはご一報ください。枠順抽選会以外では、開催周中に他のほとんどのイベントに参加する必要はありません。 枠順抽選会は必須ではありませんが、メディアは通常、いくつかの質問をしたいと考えています。 アメリカでは、枠順抽選会のステージ上で何もする必要はありません。それ以外では、もちろん、自由な時間でやりたいことを自由に行うことができます。

一般的なイベント: 枠順抽選会、ウェルカムディナー

馬着(ラグ)

一部のイベントでは、調教中に使用できる馬への無料プレゼントが提供されます。 ブリーダーズ カップでは、通常、その年のレースが開催される場所の天候に合わせて、馬の名前が書かれた馬着が提供されます。

何年によっては夜がかなり冷え込むこともあるので、これらの無料馬服はおそらく夜に使用するのには適していません。洗う後のクールダウンに最適けど、一晩中馬房の中で使用あんまりおすすめではないです。

プログラム

公式プログラムはレースの前日に入手できる場合もありますが、通常はレース当日に入手できます。 プログラムの箱をご希望のオーナー様は、事前に(同)まるがいレーシングまでご連絡ください。レース終了後に必ず1箱または2箱お取り寄せいたします。 通常、利用可能な残りのプログラムがたくさんあります。

ギフトショップ

通常、すべての競馬場にはギフトショップがあります。 主要なレースの数週間前に、そのレースの特別なグッズが購入できることがよくあります。ケンタッキー ダービーやブリーダーズ カップなど、一部のイベントではトラック周辺に追加のギフトショップが設置されます。また、イベント終了後には、開催競馬場併設のギフトショップにてお値引きセールが執り行われることも慣例となっておりますので、これらのご活用もお考えください。この場合、ご希望のサイズは保証できません。