日本への帰国の準備

荷造り

日本への帰国に際し、輸送会社に対しては、馬匹と共に積み込まれることが想定されている荷物の個数を出発の3日から5日前までに伝達する必要がありますので、判明次第、まるがいレーシングまでお知らせください。

また、すべての荷物には下記のラベル付けをお願いします。特に、複数厩舎からの遠征馬が混在している場合には、混同を避けるためにも調教師名は必ず記入してください。なお、ラベルは英語・日本語併記で記入されていることが理想ですが、英語のみでも構いません。

Trainer Name (調教師名)

Destination Country (最終目的地:国名)

Destination Airport (最終目的地:空港名)

Flight Number (便名)

荷物の受け取り

輸送会社はスーツケースとトランクがいつピックアップされるかをお知らせします。日本に持ち帰るものはすべて、馬運車のスタッフが見やすい場所に移動してください。 馬とは別に空港に移動する場合、馬の移動時間のだいぶ前にピックアップ可能性あります。

馬がエアストールで使用する必要があるものは、輸送中に必要のない他の荷物とは別に保管してください。輸送中に馬に与えることができる飼料の小さな袋を 3 つか 4 つ作ってください。

残り餌(未開封であっても)は日本に持ち帰ることはできません。 通常、残り餌を競馬場のポニーにあげます。

馬運車

馬がエアストールで使用する荷物、飼い葉と水桶などは馬運車に入れてます。

馬は馬運車のストールに逆行してください。私はいつも日本と近そう半サイズストールを頼んでます。もっと広いストール欲しいなら、教えてください。理解を深めるために写真を参照してください。ストールに水桶とヘイネットが添付されます。

厩務員は希望すれば馬車に乗ることができます。 そうでない場合は、馬運車でのアテンダントを提供するために輸送会社と手配することができます。

帰国前に馬のワクチンと検査

アメリカ出国30日以内に馬伝染性貧血、ピロプラズマ病、水胞性口炎、馬ウイルス性動脈炎の検査を受けなければいけません。また、出国5日前までにPCR 法を用いたインフルエンザの検査も必須となっています。ピロプラズマ病と馬伝染性貧血の検査は入国する際にも受けていますので、出国用の結果としても併用できます。水胞性口炎と馬ウイルス性動脈炎(VNおよび塗布検査)の検査は隔離検疫期間が終了してから受けなければいけません。通常、隔離検疫期間終了時に採血され研究所に送られます。PCR法を用いたインフルエンザ検査は出国日に基づいて採血されています。

  • インフルエンザのワクチンは日本を出国する前に完了しています。

  •  西ナイルウイルスのワクチンは日本に帰国するためには必須ではありませんが、特に蚊が多い夏場にアメリカに滞在している場合は受けておくことをおすすめします。滞在中、近くで西ナイルウイルスが発生した場合、日本に帰国できなくなってしまいます。

  • 着地検疫完了後、レーシングマネージャーに渡された日本の健康診断書、出国許可証、USDAの輸入健康診断書が手元にあることを確認してください。馬と一緒に貨物機で帰国する輸送会社のプログルームに渡してください。

  • 競馬場をあとにする前、必ず馬のパスポートを競馬場事務所で引き取ってください。

    • 日本のJAIRS(ジャパン・スタッドブック・インターナショナル)と米ジョッキークラブの間で直接パスポートのやり取りをする場合があります。競馬場事務所で確認してください。

    • 通常、米ジョッキークラブによるアメリカからの出国手続きが完了次第、馬のパスポートは馬が滞在する競馬場に返送されます。

    • 米ジョッキークラブの事務手続きの書類は、アメリカ国内の他の競馬場で出走する、または出国検疫を別の場所でする場合以外は引き取る必要はありません。馬が無事に出国してから輸送会社が米ジョッキークラブにこれらの書類を送ります。

  • 帰国用の健康診断書は輸送会社が準備し、USDA公認の獣医師が署名してからUSDAの承認に回されます。これは馬インフルエンザ用のスワブ検査の結果が出てから行われ、通常、出国の3日前くらいです。出国時には馬が厩舎を出発する際にUSDA担当者が監視のために立ち会います。これらのスケジュールは輸送会社がUSDAと相談の上、決定します。

  • 輸送会社は帰国用の健康診断書に必要となる以下検査の日程調整を行います。

    • 馬伝染性貧血:アメリカ入国時に必要だった検査で、同じ検査結果をアメリカ出国時に使えます。

    • ピロプラズマ病:アメリカ入国時に必要だった検査で、同じ検査結果をアメリカ出国時に使えます。

    • 馬ウイルス性動脈炎(塗布検査):アメリカ入国後の着地検疫が終了してから採血されます。

    • 水胞性口炎:アメリカ入国後の着地検疫が終了してから採血されます。

  • アメリカ滞在期間の制限を覚えて下さい。

    • 日本は海外で出走する目的で渡航する馬に対して60日間の出国を許可しています。アメリカから60日以内に帰国しない場合、アメリカを出発する前に追加で1週間の出国検疫が科されます。また、日本に帰国してから90-120日間の着地検疫をしなければいけません。

    • 日本馬はアメリカにいる期間、90日間の馬伝染性子宮炎(CEM)検査が免除されます。この免除は、米国に長期間滞在させる予定の牝馬には影響はありませんが、牡馬には大きな影響があります。

      • 現在のCEMの規定では、牡馬は2頭以上の繁殖に種付けをしないと90日以上の滞在が許可されていません。米国に到着してから90日以内に帰国するよう日程を組んでください。

      • 90日が過ぎると、スワブの検査などを受けた後、牝馬は他の馬がいる環境に開放することができます。日本に帰国する場合は1カ月の出国検疫を受ける必要があります。日本を出国してから規定の60日を過ぎているので、帰国後は90-120日間の着地検疫を受けることになります。

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